『ハイ・フィデリティ』

音楽好きのプレイボーイが主人公のお話。同棲していた彼女が出ていくことに端を発してこれまでの自分の半生を振り返り、音楽にまみれながらこれからの自分の人生を模索するという展開。どうやら重きは音楽オタクのための映画だそうで、洋楽フリークの人が楽しめるそうな。洋楽を全く聴かない自分にはちんぷんかんぷんだったけど。
一見自分の現状に苦しんでいるように見える主人公だけど、どうみても彼はプレイボーイで、言動と背景の思いが軽すぎて、どうしても悩む彼の姿勢に共感できない。モテる人生を歩んでいる人は「こんなもんだろう」と違和感なく受け容れられるのかもしれない。
でも、決してこの作品を否定するつもりはない。常に陰鬱で重いストーリーであるべき、なんてことがあるはずない。恋愛・結婚に音楽を絡め、やんちゃな仲間たちと織りなす30代中年の青春譚。いいじゃないか。最後のジャック・ブラックが歌声響かすシーンは心揺さぶられるものがあった。