『ラブ・アゲイン』

面白かった。笑えて、爽やか。スカッとさせてくれる作品だった。唯一、司法試験の彼女の言動だけが突拍子がなく、それでいいのかよと思わせるけど、まぁ気にせずにいることはできる。

『おおかみこどもの雨と雪』

面白かった。母親の花は、the 善人とでもいうべき人物。困難を全て一人で背負い込み、労苦を厭わず、そして乗り越えていく。 狼の子供だからといって極端に世間を避ける母親の様を見ていて、思わずにいられなかったのは、例えば現実にある発達障害やADHD等の…

『いつも彼らはどこかに 第一回・帯同馬』/小川洋子

面白かった。こんなに暗い人生を題材にする作家さんとは思っていなかったので吃驚した。 遠距離への移動に恐怖を覚える女性が主人公。デパートでのデモンストレーションガール(試食をすすめる売り子さん)を生業としている彼女のその気質も異常さをもつが、…

『ダークナイト ライジング』

キャットウーマン、びゅーてぃふぉー。 増田に“ダメな理由”をつぶさに書かれてしまっていたのでもはや備忘録を書き留めておくモチベーションもないが、一言だけ。 面白いか面白くないかの二択で言えば断然面白い。綻びがあっても映像やかっこよさ(雰囲気)…

『髪魚』/鈴木善徳

老いた人魚を拾い、家に連れて帰る。いきなりのファンタジーでこれは自分には合わなさそうだという予感も、その読みやすさからぐいぐい引きこまれ一気に最後まで読まされた。面白かった。消費社会の虚無に対する警鐘は既にありふれた視点ではあるけれど、家…

『きんのじ』/馳平啓樹

倒産寸前の自動車会社で働く主人公。自分のことをどこか価値のない人間と思いつつ、拾ってもらった会社に恩義を感じ、グローバルだとか億万長者だとか一切無縁の仕事(芝生ガーデニング)をいい具合の低温で愛している。女っ気は全くないけど一方的な一目惚…